日本ではお正月に鏡餅を飾る習慣があります。この鏡餅を開く「鏡開き」の日程は地域によって異なり、多くは1月11日に行われています。鏡餅はお正月期間中に神様が宿るとされ、鏡開きでその餅を食べることにより、健康や長寿を願うのが一般的です。
鏡開きの後には、おしるこやお雑煮を作って楽しむ家庭も多く、様々な食べ方が存在します。地域によってはおしるこの種類にも差があり、関東ではつぶあんやこしあん、関西ではこしあんを主に使い、ぜんざいを食べる地域もあります。
今回は、鏡開きでなぜおしるこを選ぶのか、その背景やマナー、おすすめのレシピを紹介します。
鏡開きで選ばれるおしるこの意義と背景
鏡開きにおしるこを選ぶのは一般的な習わしで、その背景には特別な理由があります。おしるこの赤い色は、小豆の色で、中国の伝統では邪気を払い災難を避ける色とされてきました。この考え方が日本にも伝わり、鏡開きで神様が宿ったとされる餅をおしるこやぜんざいにして食べることで、1年間の安全と健康を神様に願い、魔除けの意味を込めているのです。
昔から、お祝いごとに赤飯を炊く習慣もあり、結婚式の引き出物にも赤飯が含まれることがありました。このように、小豆を使うことには幸福を願う意味合いがあるのです。
鏡餅を食べる際の伝統的なマナーと方法
鏡餅は長期間飾るため非常に固くなります。武士時代から伝わる鏡開きの習慣では、鏡餅を刃物で切るのは縁起が悪いとされているため、通常は木槌で叩いて割ります。この伝統は現在も引き継がれており、鏡開きでは金槌で叩くか、ひび割れた部分から手で割るのが普通です。
ただし、餅が大きすぎて手で割るのが難しい場合は、水に浸して柔らかくした後に包丁で切ることも受け入れられています。最近では、切る必要のない真空パックの鏡餅も販売されており、便利です。特に高齢者がいる家庭では、誤飲防止のためにも小さく切って提供することが望ましいでしょう。
鏡開きの際の別の美味しい選択肢
鏡開きというと、多くの人がおしるこを思い浮かべるかもしれません。しかし、甘いものが苦手な方々には、他の選択肢も魅力的です。おしるこが必須というわけではなく、多くの家庭ではお雑煮を好むことが一般的です。
お雑煮は、新年によく食べられる料理で、その地域によってしょうゆや味噌ベースの味が変わります。昔、武士が野菜を加えることで「菜を上げる」という意味で食べていたと言われています。餅は様々にアレンジできる食材なので、鏡餅に込められた神様への感謝を表しながら、どのような食べ方でも良いでしょう。
保育園での子供向け鏡開きおやつ
保育園では、子供たちのために鏡開きのイベントを行うことが多いです。そこでは、1年間の健康を願いながら、お餅を使ったおやつが提供されます。子供たちが喜ぶおやつのアイデアをいくつか紹介します。
焼き餅の楽しみ方
焼き餅は、シンプルに海苔で巻いたり、砂糖醤油で味付けして食べると、子供たちにも大人気です。
茹で餅の美味しい食べ方
茹でた餅を、きな粉をまぶしたり、あんこを乗せたりすると、スイーツのように楽しむことができます。
揚げ餅のバリエーション
餅を小さく切り、油で揚げて塩をふると、餅が苦手な子供たちにも人気のおやつになります。焼き餅やきな粉餅は定番ですが、揚げ餅は苦手な子供たちにも食べやすい選択肢です。
簡単に作れるおしるこレシピとアレンジ
おしるこは、手間がかかると思われがちですが、実は簡単に作れるレシピやアレンジがあります。
手軽に作れるおしるこレシピ（2人分）
【材料】
- 餅 2個
- こしあん 150g
- 水 100ml
- 塩 少々
作り方は簡単です。中火でこしあん、水、塩を鍋に入れて混ぜながら加熱します。こしあんが溶けたら火を止め、オーブントースターで焼いた餅を鍋に加えてもう一度中火で煮立たせれば完成です。
市販の茹でた小豆やこしあん、つぶあんを使うと、より手軽におしるこを作ることができます。塩を少し加えることで、甘さが際立ちます。
クリーミーな牛乳おしるこの作り方
【材料】
- おしるこ 100ml
- 餅 1個
- 牛乳 100ml
作り方はとても簡単です。まず、器におしること焼いた餅を入れ、そこへ牛乳を注ぎます。この混合物を電子レンジで2分（500W）温めれば、クリーミーな牛乳おしるこが完成します。牛乳のまろやかな味わいが加わることで、子供から大人まで幅広い年齢層に楽しんでいただける一品になります。
抹茶風味のおしるこレシピ
【材料】
- おしるこ 適量
- 牛乳 100ml
- 餅 1個
- 抹茶 大さじ1
この抹茶おしるこは、味わい深い大人向けのバージョンです。おしること牛乳を鍋に入れて沸騰させた後、抹茶の粉末を加えてよく混ぜます。そこに焼いた餅を入れ、少し煮込んだ後に器に盛り付ければ完成です。
抹茶のほんのりとした苦みと牛乳のクリーミーさが絶妙に合わさり、おしるこの新しい味わいをお楽しみいただけます。
鏡開きにおしるこを食べる意味とは？
鏡開きでおしるこをいただく慣習には、長い歴史と重要な意味があります。この習慣は、鏡餅に宿るとされる神々への感謝を示すものであり、おしるこを作り食べることは、神々への敬意を表す伝統的な行いです。新年の始まりに、この伝統を守ることで、家族の健康と幸せを願い、日本の文化の素晴らしさを再認識することができます。
