家で餅を作る楽しみは格別ですが、時には予想以上に柔らかくなってしまい、思うように形が保てないことがあります。多くの場合、この問題は餅つき機を使っている時に起こりますが、一体何が原因で、どうすれば解決できるのでしょうか?形を整えて保存したい時、柔らかすぎる餅をどう扱えばいいのか、硬くする方法や楽しむコツを紹介します。
なぜ柔らかすぎる餅が出来るのか?
自宅での餅作りで、時折、期待していたよりもずっと柔らかい餅ができてしまいます。これは、杵と臼を使っていても、特に餅つき機を使用している時によくある現象です。実は、この柔らかさの背景には、人の手でも機械でも共通する根本的な原因があります。それは何か見てみましょう。
水分の問題
餅が固まらずに柔らかくなる主な原因は、使われる水の量が多すぎることにあります。水の管理には様々な注意点がありますが、主な原因として以下のようなことが挙げられます。
- もち米を浸水させた後、蒸す前に水切りが不十分だった。
- もち米を炊く際、必要以上の水を使用した。
- 臼と杵で餅をつく際、過程で使う手水が多く、餅に余計な水分が吸収された。
- 餅つき機を使う場合、もち米を蒸すための水が多かった。
水の扱い方や水切りの過程で、適切な量を超えると、餅は柔らかくなりすぎます。蒸し上がったもち米の理想的な状態は、中央まで火が通り、お赤飯のような適度な硬さが望ましいです。もち米は普通の米より吸水率が高いので、蒸す前の水切りを怠ると、その分、餅が柔らかくなってしまいます。
餅つき機の正しい使い方
象印やタイガー、ナショナルなどの餅つき機の取扱説明書には、以下のような共通のアドバイスが記載されています。
- もち米を水に浸した後、ざるに上げて約30分間しっかりと水切りをする。
- ざるを振って、水滴が落ちない程度に水切りすること。
- 水切りには、水が切れにくいプラスチックや樹脂製よりも、金属製のざるを使用することが推奨されています。
特に、餅つき機を使う際は、もち米の水切りを徹底することが非常に重要です。ナショナルの一部の餅つき機のように、事前にもち米を水に浸さずに済むタイプもあります。この場合、もち米が過剰に水を吸わないよう注意が必要です。プラスチック製のざるを使用する場合でも、水をしっかりと切るためには、ざるをよく振ることが肝心です。餅つき機の使用にあたっては、取扱説明書を再度確認することをお勧めします。
長時間餅つきのデメリット
餅を長くつき過ぎると、非常に柔らかくなり形を保つことが難しくなります。これは、つき過ぎにより餅の内部に空気が多く含まれてしまうためです。杵と臼を使った場合は叩くことで空気が抜けやすくなりますが、餅つき機を使用すると、混ぜる動作が主なので空気が閉じ込められやすくなります。
そのため、もし水分量が適切であれば、つき時間を短縮することをおすすめします。
柔らかすぎる餅への対処法
形を整えるのが難しいほど柔らかい餅は、保存する際にも問題となります。こうした場合の餅を固めるための方法を二つ紹介します。
電子レンジでの加熱法
普段、お餅を電子レンジで温めるときは柔らかくするためですが、逆に余分な水分を飛ばして餅を固めることができます。ラップをせずに加熱することで、水分を減らし自然と固めることが可能です。小分けにしたお餅を20秒程度加熱し、その後混ぜて固さを確認してください。必要に応じて加熱時間を調整しますが、過加熱には注意しましょう。
餅の乾燥
新しくついた餅は時間が経つと自然と硬くなります。丸めたり平らにしたりした餅は、大体半日で硬くなることが多いです。この原理を活用し、餅とり粉を振った台やバットに餅を広げ乾燥させましょう。水分が適切に抜ければ、扱いやすくなります。もし可能であれば、表面に餅とり粉を振り、手の平で気泡を抜くようにしてください。1日経っても固まらなければ、別の用途で利用することをおすすめします。
活用法:柔らか餅
手でちぎれる程度の柔らかさであれば、あんこやきな粉、大根おろしを絡めて食べるのも良いでしょう。形が定まらないほど柔らかい餅の場合、どう楽しめば良いかのアイデアをご提案します。
きな粉団子への変身
非常に柔らかい餅がある場合は、きな粉を加えて水分を吸わせ、団子状に変えてしまうのが一つの方法です。きな粉を混ぜることで、食べやすい団子になります。
■材料
- 柔らかすぎる餅
- たっぷりのきな粉と砂糖
■作り方 すり鉢に餅、きな粉、砂糖を入れ、混ぜながら丸めます。きな粉が均一に混ざれば団子の完成です。おはぎや団子を作る際にすり鉢を推奨してきましたが、普通のボウルでも問題ありません。しかし、すり鉢を使用して材料を混ぜる方が、より良く混ざります。
グラタンにプラスする新感覚トッピング
とろけるチーズの魅力は、料理に溶け込む幸せな味わいですね!チーズとお餅の組み合わせは、互いの滑らかさが相まって、余ったお餅も美味しく活用できるんです。
ミートソースグラタンを始め、ホワイトソースを使ったレシピでも同じく美味しいですよ。 ■必要な材料
- 市販のミートソース
- 焼きナスや茹でたじゃがいも
- とろけるチーズ
- 柔らかい餅 ■調理手順
- グラタン皿にナスやじゃがいもを広げます。
- ミートソースを全体に均等に敷き詰めます。
- その上から、お餅とチーズを適量散らします。
- オーブントースターで加熱し、チーズがとろけて焼き色がつくまで焼き上げます。
ピザトッピングにもお餅を
お餅はピザのトッピングとしてもぴったり。チーズがとろける楽しみに加え、お餅のもちもちとした食感が新しい美味しさを生み出します。
市販のチルドピザや冷凍ピザにお餅をのせて焼くだけで、簡単にアレンジが楽しめます。ただし、お餅の量は味のバランスを考えて調整してくださいね。
お餅で作るおはぎ・ぼたもち
形が崩れやすい柔らかいお餅も、考え方を変えればおはぎやぼたもち作りに最適です。お餅の柔らかさが、これら和菓子の特徴を活かします。
■材料
- 柔らかすぎるお餅
- お餅の2倍量のご飯
- あんこやきな粉など ■作り方
- ご飯を少し硬めに炊きます。
- 炊き上がったご飯をすり鉢に入れ、粒が半分残る程度まで潰します。
- そのご飯にお餅を加えてよく混ぜ合わせます。すり鉢で混ぜるとより混ざりやすいです。
- 混ざったら形を整え、あんこやきな粉をつけて完成です。
もともとのお餅の柔らかさが、ひと味違うおはぎやぼたもちを作り出します。余ったら、冷凍保存もできますよ。
お餅作りのコツ
餅つき機を使う際に柔らかくなりすぎないコツは、水分量とつき時間に注意することです。
もち米の水切りをしっかり行い、取扱説明書に記載された水量を守りましょう。手動でつく場合も、適切な手水の量を心掛けてください。
お餅をつく時間を少し短めにすると、理想の柔らかさに近づけることができます。次回の餅作りがさらに楽しみになりますね。