メロンと牛乳で作るメロン風味のミルクドリンクは、思いがけず苦い味がすることがあります。単体で食べた時には感じない苦味が、なぜ合わせると発生するのでしょうか?この苦味があれば、ババロアや他のデザート作りが難しくなってしまいます。
にも関わらず、苦くないメロンのデザートが存在する理由は何でしょうか?ここでは、メロンと牛乳を組み合わせることで苦味がどうして生じるのか、そしてその苦味をどうやって防げるかについて説明します。
メロンと牛乳を混ぜた時の予想外の苦味
家でメロンと牛乳を合わせてみると、不意に苦い味に直面することがあります。市販のジュースやデザートではメロンの甘さとミルクの柔らかな風味が調和しているにもかかわらず、なぜ自宅で作ると苦くなるのでしょうか。
実際に試してみると、思わぬ苦味に遭遇することがあります。この事実をまだ知らない人は、メロンと牛乳を組み合わせる際には注意が必要です。
メロンと牛乳の不思議な化学反応
メロンにはククミシンという、タンパク質を分解する酵素が含まれています。この酵素によって生成されるペプチドは、とても苦い味がします。牛乳のタンパク質がメロンのククミシンで分解されると、この苦いペプチドが生じ、牛乳が苦く感じられるわけです。
苦くなりやすいメロンの食べ合わせ
もしメロンの酵素がタンパク質を分解して苦味を生じさせるなら、他の食材でも同様の反応があるはずです。実際に、牛乳だけでなくヨーグルトや生クリームも、メロンと混ぜると苦くなります。これは、これらの乳製品のタンパク質がメロンの酵素によって分解され、苦味が生じるためです。しかし、生ハムのように固形のタンパク質は、液体や半固形状の乳製品ほどメロンと混ざりにくく、苦くなりにくいです。
メロンと乳製品を組み合わせる際には注意が必要ですが、メロンミルクやメロンババロア、メロンアイスクリームなど苦くならずに楽しめる方法も存在します。苦くならない理由と、苦味を防ぐ方法について、引き続き解説します。
メロンと乳製品を使う時の苦味を避けるコツ
メロンと牛乳やヨーグルトを一緒にすると、時々予想外の苦味が出ることがあります。これは、メロンに含まれるある酵素が乳製品のたんぱく質と反応して起きる現象ですが、すぐには発生しません。
早めに飲んだり食べたりすれば、基本的には苦味を感じることはありません。混ぜてから10分から15分で苦味が出始め、30分も経つともう避けられなくなります。だから、メロンを使ったミルクドリンクやスムージーは、作ったらすぐに飲むのがおすすめです。
でも、すぐに使い切れない時やババロアのようなデザートを作る場合は、別の対策が必要です。それは、メロンを加熱することにあります。
メロンの苦味の原因となる酵素は、85℃以上で加熱することで活動を停止します。この方法でメロンを加熱すれば、乳製品と混ぜても苦くなりません。加熱は、鍋で果肉を煮るか、電子レンジを使って行えます。電子レンジの場合、加熱時間はメロンの量に応じて調整が必要ですが、目安としては40秒から2分です。ただし、加熱しすぎるとメロンの風味が失われてしまうので注意しましょう。
メロンをゼリーにする場合も同様で、加熱しないと酵素がゼラチンを固めるのを妨げます。ですから、ゼラチンを使う時は酵素を無効にするために必ず加熱するようにしてください。
まとめ
メロンと牛乳や他の乳製品を混ぜる時、特定の酵素による苦味が問題になることがあります。この問題は、混ぜたものをすぐに使う、またはメロンを加熱して酵素を無効化することで解決できます。ゼラチンを使用するレシピでも、加熱は必須のステップです。
少し手間かもしれませんが、これらの対策を講じることで、苦味を避けてメロンのおいしさを存分に楽しむことができます。