時折、友人やご近所さんからいただく乾燥豆を活用しようと思い立つこと、ありますよね。しかしながら、日々の忙しさに紛れてしまうことも少なくありません。気がつけば何年も経過していたなんてことも。
その豆がいつ頂いたものなのか、記憶が曖昧になってしまっていることもあるでしょう。 そんな長い間保存されていた豆、果たしてまだ使うことは可能なのでしょうか?仮に使えるとなったら、どのような手順を踏んで柔らかく仕上げるのが最適なのでしょうか?
この記事を通じて、無駄な時間やエネルギーを使わずに、おいしい豆料理を作るための秘訣を掴んでいただけるでしょう。
長期保存した古い豆は食べても大丈夫なの?
一般的に、乾燥大豆の賞味期限は約2年とされています。しかしながら、適切な保存方法を用いれば、その期間を大幅に延ばすことが可能となります。
豆の保存においては、空気に触れさせないことが肝心であり、また、涼しく暗い環境下での保管が重要となります。具体的には、冷蔵庫の野菜室が最適な保管場所といえるでしょう。
カビや虫が付いていなければ、長期間保存した豆でも安心して食べることができます。 インターネット上では、10年も前の小豆や大豆を煮たという経験談も見受けられます。ただし、その際には風味に変化が見られることもあるようです。
それでも、3年や5年といった長期間保存した豆でも美味しく食べられたという声も多く聞かれます。これらの事例からも、豆の保存方法の重要性が伺えます。
長期保存豆の柔らかい煮方
大切なことは、たとえ古い豆であったとしても、その豆を美味しく、そして柔らかく煮ることが可能かどうかという点です。 その判断基準となるのは、豆がどれだけ水にしっかりと浸透し、戻るかどうかということです。
水に戻らない豆については、どれだけ時間をかけて煮ても、柔らかさは得られません。その結果として、カリカリとした食感になることがありますが、これは理想的な煮豆の状態とは違います。
もし豆が水に浸しても戻らないという状況が生じた場合は、残念ながらその豆を捨てることをお勧めします。
長期保存した黒豆の戻し方
まず最初に、長期間保存されていた黒豆も新鮮な豆と同様に、丁寧な水洗いから始めましょう。水面に浮いてしまう豆は品質が劣っている可能性が考えられるため、これらは取り除くのが最善の方法となります。 その後、豆をたっぷりの水に浸けていきます。
長期保存により硬さを増した黒豆は、新鮮な豆と比較してより長い時間の水漬けが必要となります。通常であれば6~8時間で充分とされていますが、保存期間の長い豆の場合は24~48時間を目安に設定してください。 特に夏場は水が傷みやすいため、冷蔵庫で豆を水漬けすることを強く推奨いたします。
充分な時間をかけて水を吸わせると、豆は元の大きさの約2倍に膨らみます。この状態になったら、美味しい煮物を作る準備が整ったということです。 一般的には熱湯での早い戻し方もありますが、保存期間が長い豆の場合は、冷水でゆっくりと戻す方がより良い結果を生むでしょう。
古い小豆の水戻し方法
一般的に、あんこ製作においては小豆の水戻しは不必要とされています。しかし、それは新鮮な小豆に限った話で、古い小豆についてはその限りではありません。
まず、状態を確認するために、ほんの少量の豆を水に浸してみてください。 以前に述べた黒豆のケースと同様に、水に浸けても全く戻らない豆は、どれだけ手間をかけても滑らかで美味しいあんこにはなりません。
小豆の特性として、その外皮は非常に厚く、水分を吸収するのに長時間を要します。一般的には、18時間以上の水戻しが必要とされていますが、より良い結果を得るためには、最低でも24時間は水に浸けることを強く推奨します。
そして、この段階で豆が十分に膨らんでいなければ、仕上がりが乾燥した感じの餡子になってしまう可能性があるので注意が必要です。
古い豆が水戻しできているかの見極め方
豆が適切に水戻しできているかどうかは、外皮を観察することで分かります。
柔らかく煮える豆は、外皮がきれいに膨らんでいるものです。
しかし、水戻しが不十分な場合、外皮だけが膨らみ中身が小さいままということがあります。この状態を手で確認して、内部が小さく感じる場合は注意が必要です。
長時間浸しても水戻しが不完全な場合、柔らかく煮るのは難しく、硬い煮豆になりがちです。
水戻しのポイントは「外皮と中身が均等に膨らんでいるか」です。普段あまり豆を煮ない方は、特に注意が必要です。
古い豆を上手に使うコツまとめ
正確な手順を踏むことにより、古びた豆でも十二分に食用として利用することが可能です。何より大切なのは、水で適切に戻っているかどうかという点です。 水できちんと戻すことができれば、通常のレシピに従って美味しく煮込むことが可能になります。
「豆が適切に戻っているか否か」を判断する際には、これまでの経験を踏まえて、丁寧かつ慎重に検討し、豆が適切な水分を吸収し、ふくらんでいるかどうかを観察しながら、また触って感じながら、正確な判断を下すために最善の努力を払いましょう。