みかんの外側に時折見られる白い粉状のもの、斑点状に見えることもありますね。
新しく手に入れたみかんの箱を開けると、時にこれらの白い粉を目にすることがあります。これは品質の問題なのか、はたまたカビなのかと疑問に思うこともあるでしょう。
しかし、このみかんの皮に見られる白い粉は、大抵「炭酸カルシウム」や「ワックス」であり、健康には害がないものです。
それでも、時にはこれが本当にカビであることもありますので、粉とカビを区別する方法を知ることが大切です。
この記事では、みかんの皮の白い粉とカビを見分ける方法、炭酸カルシウムの使用理由や安全性について解説しています。
みかんにカビが生えてしまった場合の対応策も紹介しています。
みかんの表面の白い粉とカビの区別方法
みかん表皮が白く見える際、それがカビであるかどうかを区別するのは一見難しいですが、簡単な見分け方があります。
その方法は、「白い部分がふわふわとした胞子状であるかどうか」です。ふわふわとした綿のような白い胞子があればカビであり、粉状のものであればカビ以外と判断できます。
写真で見るように、カビが大量に生え、果実が腐敗している場合は一目瞭然です。
しかし、わずかなカビであれば、特にその判断は難しいものです。この場合、ふわふわしているかどうかで判断しましょう。
みかんの皮に見られる白い粉の成分とは?
みかんの皮に見られる白い粉は主に「炭酸カルシウム」と「ワックス成分」で構成されています。
みかんの皮にある白い粉①炭酸カルシウムの役割
みかんの皮に付着している白い粉の一つの成分は「炭酸カルシウム」です。みかんの栽培に携わる方々が使用する「石灰硫黄合剤」がこれに当たります。
収穫の約1ヶ月前、みかんの成長が一段落すると、果実内に糖分やアミノ酸などの旨み成分が蓄積され始めます。
甘みが増すみかんは、雨や夜露により容易に傷みやすくなるため、品質維持が課題となります。これを防ぐため、水分や湿気を吸収し、みかんの皮を乾燥させる役割を果たす「炭酸カルシウム」を散布します。
乾燥させることで、果実の味わいを引き締め、糖度を高めることが可能になります。さらに、美しい皮の色合いを保ち、カビ発生を抑制する効果もあります。
通常、炭酸カルシウムは雨により洗い流されるものですが、雨が少ない時期やみかんの凹凸が深い場合、乾燥して白い斑点として残ることがあります。みかんの皮に見られる白い粉の正体です。
炭酸カルシウムは食品添加物としても安全
炭酸カルシウムは石灰石から採取される成分で、サンゴ、貝殻、大理石も同じような成分を含んでいるのは有名です。
食品添加物としても広く用いられており、カルシウム強化(例えばビスケットなどのカルシウム入り商品)、イーストフード、ガムやかまぼこなどにも含まれています。
みかんの皮に付着している状態では通常食べることはありませんが、万が一口に入っても大量でなければ健康に害はありません。
また、箱詰めされた後も吸湿効果が持続するため、そのまま保存することが推奨されています。気になる場合は食べる直前に皮を拭き取るとよいでしょう。
みかんの皮に見られる白い粉の第二の成分:ワックス
みかんの皮に付着している白い粉のもう一つの主成分はワックスです。
このワックスは、皮膜剤や光沢剤としても知られており、その安全性は広く認められています。みかんが収穫された後、汚れや不純物を取り除くために水洗いやブラッシングを行うと、天然のワックス成分が失われてしまいます。
この天然ワックスがなくなると、果実は水分を失いやすくなり、皮が速やかに乾燥してしまいます。そこで、新たにワックスを添加することで、鮮度を保つことができます。
一般にワックスと聞くと、車や床用のワックスを想像しがちですが、食品用ワックスはこれらとは異なる成分です。天然のロウや樹脂を含み、お菓子や薬の錠剤のコーティングにも使われています。
炭酸カルシウムと同様に、ワックスも人体に対して無害な成分です。
みかんに白いカビが生えた場合の対処法
過去に和歌山から送られてきた箱詰めのみかんで経験したことがあります。最初に上の方から食べていくと、下のみかんに手が届くのはずっと後になります。そうこうしているうちに、時々白いカビが生えてしまうことがあります。
みかんに白いカビが生えていた場合、最善の対処法は廃棄することです。「カビは皮だけに生えているのだから剥けば食べられるのでは?」と考えがちですが、カビが皮に生えている場合、内部にもカビが侵入している可能性があります。カビは目に見えない潜伏期間があるため、見えないだけで内部に存在するかもしれません。食べると、消化器系に悪影響を及ぼすことがあるので注意が必要です。
白いカビが付いたみかんはもったいないですが、健康を考えると廃棄するのが賢明です。また、同じ場所に保存されていた他のみかんも、カビの胞子が付着している可能性があるため、すぐに水で洗い、表面の水分を拭き取って保存しましょう。
みかんの皮の白い粉の総まとめ
みかんの皮が白く見える場合、その原因はカビ、炭酸カルシウム、またはワックスのいずれかです。「炭酸カルシウム」や「ワックス」であれば、人体に無害で安全ですので、心配せずに食べても大丈夫です。気になる場合は、重曹水や普通の水で洗うと良いでしょう。
一方で、皮に付着している白いものがふわふわとした胞子状である場合はカビです。カビはみかんの内部に侵入している可能性が高く、健康への悪影響を及ぼす恐れがあるため、残念ながらそのみかんは廃棄することをお勧めします。
みかんの皮にある白い粉状のもの:ワックス成分の存在
みかんの皮に見られる白い粉状の物質のうち、もうひとつの主要成分はワックスです。
このワックスは、光沢や保護のための皮膜剤として機能し、安全性に関しても認められています。みかんが収穫された後、不純物を取り除くための洗浄やブラッシングの過程で、本来の天然ワックスが除去されがちです。
天然のワックスが失われると、みかんは水分を保持しにくくなり、皮がすぐに乾燥する恐れがあります。このため、みかんには新たなワックスが施されることがあり、これによって鮮度の維持が図られます。
一般的に思い浮かべる車用や床用のワックスとは異なり、この食品用ワックスは天然のロウや樹脂を基にしており、お菓子や医薬品の錠剤のコーティングなどにも使用されています。
炭酸カルシウムと同じく、ワックスも人体にとって安全な成分とされています。
みかんに白カビが出た際の対処方法
以前、和歌山から届いたみかんの箱を開けた経験があります。上層から順に食べていくうちに、下の方にあるみかんを食べるのは時間が経ってからになることがあります。その間に、時には白カビが発生することがありました。
みかんに白カビが生じた場合、最も安全な対応策は廃棄することです。「カビは皮の表面だけなので剥けば大丈夫」と考えるかもしれませんが、外皮にカビが見られる場合、内部への侵入が考えられます。カビは目に見えないところにも潜んでいることが多く、消化器系への悪影響も考えられます。
白カビが付着したみかんは残念ですが、健康を優先して廃棄するべきです。また、同じ箱に入っていた他のみかんも、カビの胞子が付着している可能性があるため、速やかに洗浄し、水気をしっかりと拭き取って保存することが推奨されます。
みかんの皮に付く白い粉の概要
みかんの皮が白く見える場合、その原因はカビ、炭酸カルシウム、ワックスのいずれかでしょう。「炭酸カルシウム」や「ワックス」であれば、人体への影響はなく安全なため、心配なく食べても大丈夫です。もし気になる場合は、重曹水や普通の水で洗うことが効果的です。
一方、皮に付着した白い粉がふわふわとした胞子状のものであれば、それはカビの可能性が高いです。カビはみかんの内部に侵入していることが多く、消化器系に悪影響を及ぼすことがありますので、そのようなみかんは食べずに廃棄することをお勧めします。