米の日が8月8日にされた理由とは

日本にはさまざまな記念日がありますが、その中でも「米の日」は特にユニークです。一般的に米の旬は秋とされますが、「米の日」はなぜ秋ではなく8月8日に設定されているのでしょうか。

実は、8月8日が「米の日」とされる理由には語呂合わせが関係しているわけではありません。この日は、漢字の「米」を分解すると「八十八」になるため、8月8日に選ばれました。

「米の日」8月8日の由来と意味

毎年8月8日は「米の日」として親しまれています。この記念日の由来については、「米」の漢字を「八十八」と分解したことに起因しています。

一見すると無理がある由来のように感じられるかもしれません。しかし、この日付には深い意味が込められているのです。

米は日本人の主食であり、生活の基盤となる大切な存在です。「八」を重ねた「八十八」は、この米の重要性を裏付けるシンボルなのです。

また、「八十八」を見る際、上下に同じ数字が重なっているのが特徴です。これは米が人々に等しく恵まれることを表しているとも解釈できます。

さらには、「八十八」を裏返しても同じ形になることから、いつの時代も変わらぬ米の価値を連想させてくれます。

つまり、端的に言えば「米の日」は、日本人が主食とする米への畏敬の念を込めた記念日なのです。米作りの努力に感謝を捧げ、米の恵みに感謝する。そんな思いが8月8日に込められているのです。

ひと昔前までは、米離れが問題となっていた時期もありました。しかし今や、改めて米の価値が見直されつつあります。「米の日」を機に、日本人が米との関係を再認識する良い機会となることでしょう。

この記念日を最初に制定したのは誰なのか、具体的な創設者は分かっていません。

「米の日」が8月8日に定められた理由は、先程述べましたが、「米」の文字を「八十八」と分解したことに由来します。この語呂合わせは単純明快ですが、記念日創設の主体が不明なことから、自然発生的に広まったものと考えられています。

つまり、特定の組織や人物が作り上げた記念日ではなく、米作りや米を生活の基盤とする日本人の自然な気持ちから育まれた、まさに”民衆の記念日”なのです。

世の中には企業や団体が商業的な意図から制定した記念日が多数ありますが、「米の日」にはそうした肩すかしの意図はありません。本当の意味で、日本人の心からわき上がった記念日なのが大きな魅力です。

創設経緯が不明確ゆえに主催者もいない「米の日」。だからこそ、日本人一人ひとりが主体的にこの日を受け止め、米への感謝の気持ちを新たにすることができるのです。

自然な形で育まれ、年月を経て定着した「米の日」。今では日本を代表する食文化の記念日として、広く愛されるようになりました。私たちにとって馴染み深い存在ですね。

1978年、全国農業協同組合は毎月8日を「米の日」と定めました。これは漢字の「米」が「八」を連想させるため、そして米作りに88の手間がかかるとされることから、この日が選ばれました。

一部には8月18日を「米の日」とする説もあります。これは「八十八」を「818」と解釈し、8月18日と関連付けるためです。どちらの日付が正しいかは明確ではありませんが、8月8日の方がより一般的です。

「米の日」は、数字「8」と「米」の関連性に基づいていますが、実際の米の美味しさとは直接関連がないのが実情です。この記念日が8月に設定されていることから、米の消費を促す意図を感じることもあります。記念日が商業的な背景で作られることが多いので、その点で少し寂しい気持ちになることもあります。

8月は米の収穫期から最も遠い時期にあたり、この時期に食べる米は通常、長期保管された中で最も古いものとなります。

それでも、8月に美味しい米を楽しむための工夫をいくつかご紹介します。

米を水に浸すのは一般的な方法ですが、氷を加えることで、保管されていた古い米も新米のようなもちもちとした食感に仕上がります。ただし、この方法は新しい米には効果が薄いため、主に古米向けのテクニックであることを覚えておくと良いでしょう。