「南瓜」としても知られるかぼちゃは、日本の食文化に深く根ざしています。煮物でそのほくほくとした食感を楽しんだり、ポタージュでなめらかな風味を味わうことができます。
ハロウィンではジャック・オー・ランタンとして子供たちに楽しまれ、スイーツやパンの材料としても非常に人気の高い野菜です。
甘くて美味しい西洋かぼちゃから、大きくて目を引くハロウィン用のかぼちゃまで、様々な品種が存在します。ここでは、それらを3つの主要なグループに分けて27の品種を紹介します。
魅力あふれるかぼちゃの品種たち
かぼちゃの魅力は、その甘さと柔らかな食感にあります。多種多様な品種があり、それぞれに個性があります。
- 日本かぼちゃ
- 西洋かぼちゃ
- ペポかぼちゃ
これらのカテゴリーごとに、異なる特徴を持つ品種があります。
西洋かぼちゃの代表品種
西洋かぼちゃは甘みとフルーティーな風味で知られ、広く利用されています。特にβ-カロテンが豊富で、栄養価が高く、ほくほくとした食感が楽しめることが特徴です。市場でも非常に人気があります。以下、代表的な西洋かぼちゃの品種を紹介します。
西洋かぼちゃ14選
- 黒皮栗かぼちゃ
- ロロンかぼちゃ
- 赤皮栗かぼちゃ
- 雪化粧かぼちゃ
- 坊ちゃんかぼちゃ
- 長かぼちゃ
- コリンキー
- プッチーニ
- 鈴かぼちゃ
- すくなかぼちゃ
- えびすかぼちゃ
- こふきかぼちゃ
- 味平かぼちゃ
- ダークホースかぼちゃ
日本かぼちゃの特選品種
日本かぼちゃは、その歴史的背景とユニークな特徴から特別な地位を占めています。多くの水分を含んでいるにも関わらず、形が崩れにくいという特性があり、高級料理にも頻繁に使用されます。以下に、日本かぼちゃの代表品種を紹介します。
日本かぼちゃ7選
- バターナッツかぼちゃ
- 小菊かぼちゃ
- 菊座かぼちゃ
- 島かぼちゃ
- 鶴首かぼちゃ
- 黒皮かぼちゃ
- 鹿ヶ谷かぼちゃ
ペポカボチャの種類と特徴
ペポカボチャはもともと北米南部で栽培されていた品種で、春になると特に人気があります。日本では以前はあまり一般的ではありませんでしたが、最近では金糸瓜(カナリアメロン)なども市場に登場しています。これらのカボチャは淡泊な味が特徴で、他の食材や肉と一緒に使われることが多いです。
ペポカボチャの主な6品種
- ズッキーニ
- アトランティックジャイアント
- そうめんカボチャ
- ハロウィンカボチャ
- カボッキー
- 韓国カボチャ
16種類のカボチャを展示
西洋カボチャ「黒川栗カボチャ」
このカボチャは、深緑の皮に覆われており、内部は鮮やかなオレンジ色です。加熱すると甘みが増し、栗のようなほくほくとした食感になります。北海道で主に栽培され、夏の終わりから秋にかけて収穫されるこのカボチャは、冬が旬です。多くのスーパーマーケットで見かけることができます。
西洋カボチャ「ロロン」
「ロロン」はラグビーボールを思わせる独特の形と緑色の皮で知られるカボチャです。その果肉は滑らかで細かく、控えめな甘さが特徴です。この甘さはコロッケやプリン、ポタージュなど、様々な料理に適しています。
西洋カボチャ「赤皮栗カボチャ」
「赤皮栗カボチャ」はその名の通り、鮮やかな赤い皮が特徴です。金沢の加賀野菜としても知られ、主に福島県で栽培されています。その人気は市場で急速に高まっています。
西洋カボチャ「雪化粧カボチャ」
「雪化粧カボチャ」は、その白い皮が特徴的で、カボチャ不足時に特に目につきます。北海道から多く出荷され、その保存性の高さから数ヶ月間新鮮な味わいを保ちます。焼くとさらに甘みが引き立ちます。
西洋カボチャ「坊ちゃんカボチャ」
手のひらサイズで可愛らしい「坊ちゃんカボチャ」は、そのふっくらとした栗のような甘みで人気です。小さなサイズを活かし、中をくり抜いてグラタンなどにすると、見た目も楽しい料理が作れます。
西洋カボチャ「コリンキー」
山形県で主に栽培される「コリンキー」は生で食べられる珍しいタイプのカボチャです。鮮やかなレモン色の果肉と柔らかい黄色の皮が特徴で、皮ごと食べられます。シャキシャキした食感は、サラダやマリネにぴったりです。
西洋かぼちゃ「プチーニ」
この小さく丸い黄色いかぼちゃは、おもちゃのような見た目ですが、食べ応えのある一品です。果肉は黄橙色で粉質が高く、特有の甘さがあります。電子レンジで手軽に加熱して楽しむことができます。
西洋かぼちゃ「スクナかぼちゃ」
岐阜県産のこの特徴的なかぼちゃは、ヘチマのような長い形と薄緑色の皮が特徴です。加熱すると果肉が黄色くなり、豊かな食感を楽しめます。スライスしてステーキ風に焼くのがおすすめです。
西洋かぼちゃ「えびすかぼちゃ」
この一般的なかぼちゃは、濃い黄色にオレンジがかった果肉が特徴です。粘質で粉っぽさがあり、味わい深いです。日本の気候に適応しやすく、主に「えびす」品種が市場で見られます。
西洋かぼちゃ「こふき」
このかぼちゃは重厚感があり、1.8kgから2.4kgの重さがあります。煮ると果肉が橙色に変わり、高品質な味わいが特徴です。
西洋かぼちゃ「味平」
この小ぶりながらも粉質の高い果肉が特徴のかぼちゃは、味が良くて人気があります。主に7月から8月にかけて収穫されます。
西洋かぼちゃ「ダークホース」
粘質が強くほっこりした食感が特徴のこのかぼちゃは、尖った底から広がるハート型が特徴です。非常に味が良いと評価されています。
日本かぼちゃ「バターナッツ」
南アメリカ原産で日本かぼちゃに分類されるこのかぼちゃは、アメリカでも非常に人気があります。皮は薄く黄緑色で滑らか、ナッツのような風味とねっとりした食感が特徴です。ポタージュやソテーに適しています。
日本かぼちゃ「小菊かぼちゃ」
この小型のかぼちゃは、断面が菊の花を思わせる美しい形状をしており、手のひらサイズです。皮は濃い緑色で果肉は明るい淡黄色です。主に石川県や福井県で栽培され、甘みが控えめで煮物に適しています。
西洋かぼちゃ「くりゆたか」
えびす系のかぼちゃで、特に甘さとほくほく感が特徴の高級品種です。
西洋かぼちゃ「ほっこりえびす」
このかぼちゃは密度が高く、栗のようなほっこり感と強い甘みがあります。サイズは「えびす」と同じで、皮は極濃緑色、果肉は濃い黄色で、見た目も魅力的です。
カボチャの名前の由来とその歴史
カボチャとカンボジアの意外な関連性
カボチャは、もともとポルトガル人によってカンボジアから日本に持ち込まれ、「カボチャ瓜」として知られるようになりました。時間が経つにつれて、「瓜」の部分が省略され、「カボチャ」と単に呼ばれるようになりました。
「南瓜」という名称も、南蛮貿易を通じて伝わったことを指し、中国では現在も「南瓜(ナングァ)」と呼ばれています。この名前は、カンボジアから日本に伝わったことを示しています。
カボチャの最適な収穫時期
カボチャの栽培から収穫までのプロセス
- 植付け時期: 4月初旬~6月末
- 収穫期間: 6月~9月
一般にカボチャは夏の野菜として知られていますが、「冬至カボチャに老いなし」という言葉があります。これは冬至を過ぎると品質が低下することを意味し、年内に消費されることが望ましいです。実際、収穫後に約3ヶ月熟成させると旬を迎えるため、市場には9月に最も多く流通します。
美味しいカボチャの選び方
未切断カボチャの選び方
- 表面に白い粉が付いているものを選ぶ
- 茎が乾燥しており、周囲が凹んでいるものを選ぶ
- 皮が濃緑色で、重さを感じるものを選ぶ
- 形が整っているものを選ぶ
カットされたカボチャの選び方
切断面が鮮やかな色をしており、種がふっくらしているカボチャが良い選択です。
日本のカボチャ生産量トップ10都道府県
北海道は日本全国で突出した生産量を誇り、鹿児島県、長野県がそれに続きます。以下の表は2022年の日本のカボチャ生産量トップ10都道府県を示しており、各地域がどれほどの量を生産しているかを示しています。
順位 | 都道府県 | 生産量 (トン) | 全国の割合 (%) |
---|---|---|---|
1 | 北海道 | 94,000 | 51.4 |
2 | 鹿児島県 | 6,890 | 3.8 |
3 | 長野県 | 6,620 | 3.6 |
4 | 茨城県 | 6,360 | 3.5 |
5 | 長崎県 | 4,750 | 2.6 |
6 | 宮崎県 | 4,030 | 2.2 |
7 | 神奈川県 | 3,820 | 2.1 |
8 | 沖縄県 | 3,560 | 1.9 |
9 | 群馬県 | 3,170 | 1.7 |
10 | 新潟県 | 3,130 | 1.7 |
北海道は他の地域と比較して約10倍の生産量を誇り、全国の約半分のシェアを占めています。海産物だけでなく、カボチャ生産においても北海道はその強さを示しています。鹿児島や長野もカボチャ生産における重要な役割を担っています。